福来心理学研究所での私のスタンス

福来心理学研究所においての私のスタンスは科学的立場から超常現象といわれるようなものがあるのかないのかを検証するものです。あればメカニズムを調べますし、ないならそれでよいです。よく出席しています福来心理学研究所例会でも科学的立場から意見を言っています。今のところ心霊研究は行っておりません。

 私の福来心理学研究所との出会いは催眠法の勉強がきっかけでした。この研究所を作った(?)福来友吉は日本で初めて本格的な科学的催眠研究を行った方です(小泉,2012,催眠学研究)。彼の著作、1906年出版の『催眠心理学』は日本における催眠についての本格的な研究書でした。超能力研究をおこなった人とは知らず、私はこの本を催眠法を学ぶために読んでいました。文体が古く、読みにくい上、本もぼろぼろ。そんなわけでまだ読破していません。私は福来心理学研究所については福来博士の催眠心理学研究に興味を持ち、関わりを持ち始めました。

 福来心理学研究所は念写研究が最も盛んかと思います。私は超常現象を否定してはいません。ある講演会でノーベル賞学者の益川さんにたくさんの聴衆の前で「おばけはいると思いますか?」と質問したことがあります。益川さんには「あなたはおばけがいると本当に思っているのですか?」と言われました。「おばけ」という表現があいまいだったので、益川さんもヘンなおばけを想像して「おばけはいない」と否定したのだと思います。なにもそんなにむきにならなくってもいいのにと思ったのですが、これは学者の性(さが)ですね。質問の表現がまずかったのかもしれませんが、学者といえども心霊の存在を否定してはいけないと思います。心霊、あるいは奇跡と呼ばれる現象は再現性に乏しいが存在する可能性はあるのではないでしょうか。たとえば、歴史上知られている奇跡に、多くの人に目撃されたマリア様の出現があります。たとえノーベル賞学者だとしても、人間の文明によって構築された現段階で知られている物理法則によって推測できることを言っているにすぎず、現段階で知られていない物理法則、不可知な部分は存在しているはずです。人間が宇宙の法則を知っている、あるいはいつかはすべてを知ることができるという考えは思い上がりだと思います。

 さて、私自身は心霊研究を行ったことはないのですが、占いには興味があります。生活のスパイスとして楽しいですからね。占いは偶然性から意味を読み取るものですが、それが当たるのかどうかを考えた場合、占い師の発言が相談者に対して暗示として入り、結果として当たりとなる将来を導くというケースが多いと私は考えています。占い師はそのことを理解して、発言は慎重にするべきです。また、占いは道具や偶然性を使用したカウンセリング(心理療法)とも考えられるでしょう。占い師と対話をしながら一緒に結果を解釈していったほうが相談しているほうも楽しいと思います。道具が発する印象から感情が引き出されますし、占った時期により異なったカード(タロット占い)や卦(易学)が出るため、以前は持たなかった視点から物事を考えることができ、新たなことに気付いたりすることもあるのです。高校生の頃からウェイト版タロットを使用して自分のことはもちろん、学校では友人のことも占っていました。トートのタロットも現在専門書で勉強中ですがこちらはまだ慣れていません。易学については鑑定士の免状を受けています。筮竹、算木を用います。